脳と読書、その3
8月17日から19日に、長男が帰省したとき、高校2年生の次男が、長男に数学の勉強方法をしきりに訊いていた。私も、横で耳を傾けていたのだが、私は森毅先生の『数学受験術指南』を机の上に置いておいた。どうも、次男は、この本を読んでいるようだ。
次男の数学については、私も気になっていたので、藤原正彦、小川洋子の対談『世にも美しい数学入門』を読んだ。著者の藤原正彦は、『国家の品格』の著者で、数学者、小川洋子は、ベストセラー『博士の愛した数式』の著者で、芥川賞作家である。数学の面白みが判るような内容であれば、是非とも次男に薦めようと思って読み始めた。
第一部は、『博士の愛した数式』の解説のようになってしまっているが、本書単独で読んでも、当然、面白い。
本書に図が12箇所あり、一見判り易そうに書いているが、含蓄があり、高校生では無理なものもある。この図を見ているだけでも面白い。
「フェルマーの最終定理(3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがない、という定理)」の解決で、日本人が大きな役割を果たしたことが書かれている。日本人の独創性と美的感受性を賞賛している。この定理に一生とりかかってしまっため、結局何もしないまま死んでしまった天才数学者があるようだ。この定理に関して、3人の日本人が業績を残しているようだ。
素数の話も面白かった。未だに、「素数の表れ方に公式がない」ということである。統一性がなく、混沌としている。素数は、無限にあるが、2003年12月段階での、最大の素数は、「2の209966011乗-1」でパソコン21万台で計算したとのことである。もちろん、最大ではない。以降、延々と素数の話が続く(素数は数の素だから、話は尽きない)。
もう一つ面白かったのは、「自分の証明しようとしていることが、もしかしたら嘘かもしれないという恐怖」は、どんな数学者にもあるということ。さらに、「どんなに頑張ってもその問題が、現代の数学の水準をはるかに越えているという恐怖」があるということである。それから、「不完全性定理」というのがあり、「数学のように純粋に論理の世界でも、真偽を判定できない命題がある」ということでした。
本書は、文系のひとでも読める内容であり、本書の中の12個の図が素晴らしい。
数学の勉強とは、公式を暗記して、問題集を解くことと思っている人にも、是非、読んでもらいたい。
という訳で、この書籍は、次男の目に触れるところに、そっと置いておこう。 以上





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